そこからは駆け抜けるだけだった。
脇目も振らず勉強し続けた。
年越しはファーストキッチンで勉強した。
寂しさなんてなかった。
ひたすら2月の試験ラッシュに向け勉強し続ける。
そして、慶應義塾大学経済学部の試験日を迎えた。
田町駅の改札を通り、
東京タワーが見える通りを歩き、
大学の門をくぐる。
教室に入り、席につく。
深く深呼吸し、自分に言い聞かせる。
未来の俺はここで授業を受けている。
その未来を今の俺が裏切るわけにはいかない。
英語と小論文は大丈夫、いつもどおりにやればいい。
数学は全問終わらなくてもいい、ただ、大きなミスさえしなければいい。
大丈夫、俺には俺がついている。
そう自分に言い聞かせ、試験が始まり、数時間後、チャイムとともに試験が終わった。
次の話
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