慶應受験記_15

2月下旬。

時間になり、専用の電話番号を入力する。

受験番号を入力する。

「おめでとうございます、合格です。」

もう一度、専用の電話番号を入力する。

受験番号を入力する。

「おめでとうございます、合格です。」

親、予備校の先生、参考書、アドバイスをくれた友達。

もちろん、彼らに感謝しなければいけないと思う。

でも。

1日でいい。

1日だけでいい。

俺は、俺とだけ感動を味わいたかった。

自ら厳しい受験勉強へと踏み出したのは誰だろうか。

毎日同じことをただひたすらに繰り返したのは誰だろうか。

辛かったとき、俺を支えたのは誰だろうか。

最後まで俺を信じ続けたのは誰だろうか。

他の誰でもない、俺自身だ。

俺は俺を肯定することができた。

合格発表があったその日、本当に誰にも結果を言わなかった。

言いたくなかった。

俺の、俺による、俺だけの感動を眠るまで味わった。

次の話

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