慶應受験記_8

本格的に勉強が始まった。

ひたすら机に向かう日々だ。

周囲の人達の反応は総じてネガティブだった。

親も予備校の先生も。

そりゃそうさ、一流大学とは程遠い高校を卒業し、なんにも知らない20歳の浪人生が慶應経済に入ろうとしてるんだから。

親からは、

慶應経済じゃなくてもいいんじゃないか。

予備校の先生からは、

なんでみんなと同じ授業受けないんだ、普通はいろんな授業を受けるんだぞ。

慶應経済じゃなきゃダメなんだ、俺はもう俺を裏切れないんだ、妥協なんてするかよ。

みんなと同じ授業?

みんなと同じ授業受けてみてぇよ。

だけど基礎もわかってない俺が受けても時間の無駄だろ。

”普通”の浪人生じゃないんだよ。

親や予備校の先生の提案にはすべてNo。

授業は予備校に在籍するのに必要な週1コマのみ。

その他はすべて自習で、市販の参考書と必要最低限の質問だけを先生にするスタイル。

本当に1人だった。

だってこんな状況から受験開始するやつなんていないだろ。

ほとんど誰も歩いてきたことのない道。

俺は俺にしか頼ることができなかった。

勉強自体が初めてだったので最初はやり方を間違ったりもした。

だけど、その度に自分で考え、勉強方法と参考書を見直した。

模試は実力を正確に知るため、勉強していない範囲は解かない、80%以上確信のない問題は空欄で提出した。

偶然とその場限りの正解はいらない。

最終ゴールを思い描き、自分で調べ、考え行動していた。

だけど、頼るものが自分しかいないからストレスも半端なかった。

夜眠るのが怖かった。

朝起きたら同じ毎日を繰り返さなければいけないから。

体温が上がるだけで出る蕁麻疹にもなり、腹の調子も慢性的に悪かった。

それでも俺はとにかく勉強した。

同じ毎日を繰り返した。

be動詞の使い方も理解できるようになった。

文中のwhatの意味もわかるようになった。

最初は分厚いと思った青チャートの残りページがどんどん減っていく。

ただただ、ひたすらに同じ毎日を繰り返す。

2010年10月頃が1年目に模試を受けた最後だったと思う。

その時点までの英語の偏差値は最高59.9。

数学に関しては、模試自体を受けるのが時間の無駄(全範囲に終わってない為)だと思っていたので受けていない。

でも、学習した範囲の基礎的な問題なら解けるようになっていた。

そして、2011年の慶應の入試を迎えた。

1年目に受けたのは以下の3つ。

慶應義塾大学 経済学部
慶應義塾大学 環境情報学部
慶應義塾大学 総合政策学部

全部落ちたよ。

慶應経済は42点足りなかったことをはっきり覚えてる。

だけど希望はあった。

全ての学部で足切りは通った。

経済学部の試験では、英語・小論文は合格ラインを超えていた。

受かる希望は捨てていなかったけど、全ての入試を終えた日の翌日1日だけを完全にオフにし、

その次の日、

合格発表を待たずして勉強を再開した。

1年でここまで来た。

be動詞も知らなかったけど。

やっと普通の浪人生のスタートラインに立てた。

やっと国語も勉強する余裕ができた。

よし、ここからが本番だ。

慶應経済、1年後待ってろよ。

浪人生活2年目が始まった。

次の話

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